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村田沙耶香「しろいろの街の、その骨の体温の」:私たちの値札

とても良い作品でした。言葉ではなかなか表しきれません。 結佳、若葉、信子の3人はニュータウンに住み、仲良く遊ぶこともある小学生四年生の女子です。物語は結佳の視点で語られます。結佳はとにかく人のことを観察します。 太くて黒いゴムでぼさぼさの髪...
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沙藤 一樹「D-ブリッジ・テープ」:夢の橋の上で

「D-ブリッジ」の「D」はDUMPのDでもなくDUSTのDでもなくDREAMのDです。 おそらくは不法投棄によって、横浜ベイブリッジ(作中の通称D-ブリッジ)は、かつての夢の島ゴミ処理場のようにゴミだらけになっています。 作品は、大人たちの...
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小林泰三「安楽探偵」:椅子に座ったまま事件解決

現場には行かず、椅子に座ったまま事件を解決する「安楽椅子探偵」が活躍する連作短編集です。「アイドルストーカー」「消去法」「ダイエット」「食材」「命の軽さ」「モリアーティ」の6編が収められています。 どれもどのように論理が進んでいくのか、ミス...
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レマルク「西部戦線異状なし」:反戦の書

「西部戦線異状なし」は、ドイツ生まれのレマルク(1898-1970)による作品で、第一次世界大戦の西部戦線の状況を、18歳のドイツ兵パウル・ボイメルの視点から描いています。 僕らのほうの損害は、思ったより少かった。戦死五人に、負傷者八名だ。...
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小林泰三「完全・犯罪」:完全であり、犯罪である。

小林泰三と書いて、「こばやしやすみ」と読みます。最初、完全に「たいぞう」だと思っていました。本書には「完全・犯罪」「ロイス殺し」「双生児」「隠れ鬼」「ドッキリチューブ」の5つの短編が入っています。全般的に、オチのあるSFやミステリといった趣...
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村田沙耶香「コンビニ人間」:普通の人と普通じゃない人

コンビニで働く時のみ「世界の歯車になれる」と感じているコンビニバイト歴18年の古倉さん(女性)の話です。 冒頭の幼少時代のエピソードから飛ばしています。公園の死んだ小鳥のエピソード(食未遂)や、ケンカしている男子を止めるエピソード(物理)な...
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ダニエル・キイス「アルジャーノンに花束を」:チャーリイ・ゴードンの望みは何?

知的障害を持ち、パン屋で働くチャーリイ・ゴードンが、ある手術を受けることで知能指数が上がっていくが・・・という話です。全体を通してチャーリイによる「報告書」という形で書かれていて、チャーリイの変化を、彼が書く文章そのものと、その内容の両面か...
エッセイ

北杜夫「マンボウあくびノオト」:おかしみと深い人間洞察

楽しいエッセイ「どくとるマンボウ航海記」や、純文学作品「楡家の人々」の作家の北杜夫による初期の短編やエッセイを収めた本です。「あくびノオト」という題だったものが後に改題されたものであるとのこと。私が持っているのは中公文庫版で現在絶版のようで...